自分は自分
そんなとてもnegativeな気持ちだけで会社を辞めたのですが、幸いにもすぐに次の会社を紹介してもらうことが出来、面接に赴くことになります。
- 面接に行くにあたって私は思いました。転職の動機は「ちゃんとした」ものでなくてはいけまい。前の会社がイヤでイヤで後先考えずに辞めました、ではまずい。なにか言い回しを考えておかなければ。それも「前向き」のものを。
- ということで、半年強の短い経験ではあるが営業職が自分の求めていたものでないということが分かった、それよりもむしろ物作りの現場で技術的なことに関わりたい、決めた以上早いほうがいいと思った、といった事を一応考えておいて面接に望んだのです。
- 人事部長との面接では「君はどうも営業職の方が向いてるんじゃないか?」などと思ってもいないことをいわれましたが、これはきっぱりと断りました。「技術部門でやっていく自信はあるか?」と聞かれ、一瞬逡巡しましたが「自信があるかどうか自分でも分かりません。ただ自分の能力を精一杯だそうとはもちろん思います。」というようなことをいいました。部長に「もう少し自信を持ちなさい」というようなことを最後にいわれて面接が終わったのを今でも覚えています。
- ありゃ〜、これはだめかな?と思っていたのですが、技術部配属ということで連絡をいただきました。無理を言って入社まで2ヶ月の猶予をいただき入社を決めたのです。
- 2ヶ月の猶予は、しばらく釣りがしたいという今から考えてもとんでもない理由でしたが。ただ、晩秋に入った故郷の川は一番水が綺麗になる季節で、どうしてももうしばらく毎日、鯉や鮒を釣りたいと正直思っていたのです。余談でした。
- さて、私が何が言いたかったかということですが、それは転職に当たっての動機、そして次の転職に向けての「自分」というものの考え方についてです。
- あ〜、positiveに自信たっぷりにということでしょ?と思われた人がいるかもしれません。違います。むしろ逆かもしれません。一言で言えば、誠実に真摯に自分を見つめておきましょう、ということです。
- 私も自分の部署に応募してきたapplicantsの面接に同席することが良くあります。外資企業ということもあり殆どが何らかの社会経験のある転職組です。外資からの人もいれば、日本の企業からの人もいます。外国人もいます。
- 殆どの人がマニュアル通りに、退社理由・転職動機などを事前に考え、とてもpositiveで自信たっぷりです。それに相好を崩す面接側もいるのは確かですが、私は個人的にはそこは慎重に見ます。でっち上げられたpositiveさや自信は時として、それが分かります。さらにどうしてそんなに自信たっぷりに断言できるのだろう?とも思います。新しい会社に入ろうとしているのです。環境も求められるものも違うはずです。そこで何故そんなに自信たっぷりになれるのだろうかと思います。
- むしろ真摯に、この会社の中での将来の自分を捕らえようとして、まだ結論は出ていなくても、よ〜くまじめに考えようとしている人の方が私には好感が持てます。もちろんいろいろな面接側がいますので一概には言えないと思いますが。特に面接される側もする側も日本人同士の場合はそういう風に思います。いくら外資に勤めていても日本人は日本人ですからね。
- そんなこんなで私は「自信の無いまま入社した」二つ目の会社で13年間技術者として勤めました。